フレンズ×ナイフ 著 星家なこ

フレンズ×ナイフ (MF文庫J)
 他人に興味のない橘あかりは、探偵のような仕事を持ち、ワイヤーを使った戦闘術を使い、メガネをかけると残忍な性格に変わるという、普通とはいえない高校生。そんなあかりに舞い込んできた新たな依頼――それはクラスメイトである木嶋亜子という少女を護衛すること。しぶしぶながらも亜子に近づき、偽りの友だちになることができたまではよかったが、天真爛漫な亜子のテンションについていけないうえに、そもそも亜子は黒い炎を操る、あかりよりもずっと強い力の持ち主で――!? あかりが神器錬成師(ソーマメーカー)の謎に挑むアクション&友情ファンタジー!!
 なんというか、全体的に盛り上がりに欠ける上に急展開、ついでに言えば続編前提で書いている部分があるので、設定に関しての説明が不足してるし、黒幕は逃げていくし、何とも新人二作目という立場を理由でフォローし難い作品に仕上がってしまっていて、何ともコメントに窮する
 もしかしたら、これが異能力バトル物じゃなかったとしたならばまだ良かったのかもしれない、他人に興味無い女の子が探偵のまねごとやっていて、同世代の女の子を見守る仕事を依頼された、という導入部から友情物語みたいなノリでこの作品の流れを書いてしまえば、まだすんなり入っていけたと思うし、割とまとまった物語になるんじゃなかっただろうか、百合っぽく仕上げれば人気も出るだろうし
 何故か出てきた唯一の男性である先輩はなんか妙なポエムを発するし、ついでにいえば主人公が友達を作らないようにしているという設定なら必要以上に人と親しくならず帰宅部やっていろとか思ったりもしたが、そこまで突っ込むと重箱の隅突く感じもするか、ただ、仲直りさせる動機づけなら主人公の姉動かした方が流れが奇麗な気もした
 まあ、多分続きは買わないんだろうな、と思いつつ本を閉じたのであった