θ―11番ホームの妖精 著 藤真千歳

θ(シータ)―11番ホームの妖精 (電撃文庫)[rakuten:hyoutan:10010390:image]
 上空2,200mに浮かぶ東京駅11番ホーム。誰も知らない、誰も来ない、路線図にもないその場所に、もしもたどりつくことができたなら、あなたは出会うだろう。いつまでもその小さなホームを見守る、青い妖精に──。
 high Compress Dimension trasnport(高密度次元圧縮交通)通称C.D.。「鏡色の門」と鋼鉄の線路によって、地球の裏側までわずか数時間で結ばれる時代。進化する義肢技術、第七世代人工知能、そして「鏡」の秘密をめぐり、さまざまな立場にある者たちの思惑が交錯し、11番ホーム、そして世界を結ぶシステムをも巻き込む危機が訪れようとしていた……。

 タイトル何て読むんだっけな、シグマとかだっけと適当に変換しながら思い出すという作業をしていたのですが、冷静に考えれば本の表紙に書いてありましたね、そうだそうだラピュタのヒロインと同じθだ
 タイトルやら挿絵やらでは全く内容が予想できなかったのですが、読んでみると案外しっかりとSFをやっているから驚いた、ついでにいえば政治やら世界を皮肉った舞台の時代の流れを平然とやるのも、ある意味度胸あるなとは思う
 話のまとめ方やら世界の作り方は今月の電撃新人三人の中では一番好きかも知れない、とはいえ状況説明や技術説明で毎回3〜4ページは軽く持って行かれ、しかも専門用語が容赦なく飛び交っていくので、途中何かの報告書を読んでいる気分になってくる、まあSF設定なんだからしょうがないちゃないんだが、もう少しスマートに纏まらなかったのだろうか、とは思った
 まあ、でも嫌いじゃないです、T.Bと義経との掛け合いはテンポよかったですし、話の盛り上げ方もいい感じに流れていきますし
 あとは今後は妥協するのか、突き進むのか、できればもっとコテコテのSFで読者起きてけぼりにしてみると面白いかもしれない