ほうかご百物語 著 峰守ひろかず

ほうかご百物語 (電撃文庫)
 「いきなりで悪いけど、あなたの血、吸ってもいいかな」
 高校生で美術部員の僕は、夜の学校で銀色に輝く瞳を持つ不思議な少女に出会う。 少女の正体を“イタチ”だと見抜いて吸血(!)の難を逃れた僕は、その夜、彼女とある 『約束』 を交わす。
 翌日。美術室に現れたイタチ少女は、僕に告げた。手遅れになる前に約束を果たしに来た。 約束を果たすその日まで、僕のことを守ってくれる、と。―― 守るって、一体何からっ!?
 ピュア可愛いイタチさんと僕の、ちょっと不思議な放課後物語。

 物語のしてのパンチ力は恐ろしく弱い、これと言って特出した凄さがあったわけでもなく、かといって荒削りすぎるわけでもないし、これといって悪かったところがあるわけでもない
 じゃあ、そんな作品が2008年電撃小説大賞の大賞をとった理由って何なのだろうな、と考えると全体に漂っているほんわかとした雰囲気というか、どんなピンチだろうが何だろうが、ほんわかとした姿勢を崩さずシリアスになりきれず、ギャグになりきれず、ずっとこの雰囲気を保ち続けたからなんだろう、そういう物語の完成度という点でいえば確かに大賞
 ただ、話として完成しているからおもしろいかと言われればそれはまた別問題であって、電撃大賞の大賞作家よりも金賞、銀賞作家の方がブレイクしやすいのはそういった事情もあるんだろう、wikiとかで追ってみるとえらいことになってるし