わたしたちの田村くん 著 竹宮ゆゆこ

わたしたちの田村くん (電撃文庫)
 自分のパソコン「たむら」の変換で最初に出てくるのは当たり前のように「多村」なので、打ち辛いったらありゃしない
 主人公ハーレム型のラブコメって時点であまり期待もしないで読んでいたのですが、これが予想外の大ヒットだったりするから、新人発掘というものは止められない
 自分は月に帰るんだと言いつづける少女、バレンタインデーに部屋の窓を投石して割った少女、良く出来る兄と弟に挟まれる好きな時代が鎌倉時代な平凡な男子、それらが織り成す物語
 飛ばし気味とも思える文章のテンションと重い身の上話が緩急になって上手く話のテンポを作っているのがいい感じで、短編を重ねて無理に伸ばす意識がないのも良い
 いちご100%見たいな図式になりそうな予感がありますが、東城も西野も真中もこれだけ捻くれていれば、飽きる事は無いだろう
 追記 作者紹介にPCゲーム会社退社と書いてあったからどこかと思ったら、FlyingShineの「Noel」のシナリオライターか、新人にしては上手いと思ったよ